会社は頭から腐る/冨山 和彦 08001
- 冨山 和彦
- 会社は頭から腐る
―あなたの会社のよりよい未来のために
「再生の修羅場からの提言」 - ★★★★★
新年早々、
「腐る」とは如何なものかと思ったが。
だが、今年のスタートを切るに相応しい
素晴らしい本だった。
冨山和彦さんは東大法学部に在学中に
司法試験に合格、スタンフォード大学でMBAをとり
産業再生機構のCOOを40代前半で務める。
その略歴からすると、
クールなエリートを想像してしまうが、
あくまでも現場現物主義で、
あくまでも熱く、
常に真剣勝負。
人の機微にまで通じる方のようだ。
そして緻密な論理で華麗な経営戦略を語るよりも
彼らの腹に落ちるようなコミュニケーションを
取ることの重要性に氣がついた。
その最良な方法は、
何よりも彼ら彼女らに好かれることである。
そして、そのためには、少しでも多くの時間と体験を
共有してお互いを知ることが重要だという
ある意味当たり前のことを理解していったのだ。
相手の話をよく聞き、相手の氣持ちを想像しながら、
相手の腹に落ちる言葉で思いを伝える。
そしてそれを繰り返す。
施策の正しさと我々自身の決心や覚悟を示すために
自分達でもドブ板を踏むような
顧客回りをやり、泥にまみれた。
思わず、姿勢を正す。
この覚悟が、自分にあったか。
襟を正したこの氣持ち、
一年間忘れぬよう胸に刻み込みたい。