サクリファイス/近藤 史恵 08059
- 近藤 史恵
- サクリファイス
- ★★★★★
先日、友人達と夕食会をした。
各界で大活躍する皆と、
「最近一番良かった本は何か?」
の話になって話題になったのがこの本。
推薦してくれた方に、早速お借りする。
自転車のロードレースが舞台である。
ロードレースではチームプレーが要求され、
プレーヤーは自らの栄光とチームへの貢献の
狭間で葛藤する。
あるチームの中の人間関係のと
その葛藤が、数年前に起こった事件に絡まって
息もつかせぬスピード感のある
ストーリーが展開される。
登場人物の感情の「ひだ」の描写は緻密だ。
エースの勝利を助けるアシスト。
そのアシストはエースのための
「サクリファイス/犠牲」なのか。
エースだけでは組織にならない。
組織として、個人としても勝つことは叶わない。
縁の下の力持ち的な存在が必ず求められる。
では、彼ら「脇役」達は「犠牲」なのだろうか。
つい経営の立場で読んでしまうが、
スポーツと企業は違う、と思いながらも
かなり引き込まれた。