ただマイヨ・ジョーヌのためでなく/ランス アームストロング 08075 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく/ランス アームストロング 08075

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく/ランス アームストロング
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先日の

サクリファイス/近藤 史恵 08059

が良いね!と当ブログで申し上げたところ、

書友のヒビキングさんから

「ロードレースと言えば、ちょと趣は違うと思いますけど

 この本も良いですよ」

と推薦していただく。

ただマイヨ・ジョーヌのためでなく 05239


 「僕の人生は

  長くつらい上り坂を

  上るためにある」


史上最年少で世界自転車選手権で優勝するなど

人生の絶頂にあった超一流自転車選手を襲った悲劇。

睾丸癌は肺や脳に転移し、

著者のランス・アームストロングの人生を脅かす。


生存率20%という厳しい環境にありながら

化学療法の激しい副作用に耐え、生還する。


だがそこでドラマは終わらなかった。

生殖機能を失い、鋼の様な筋肉を失いながら、

そして、強靭な精神力を一度は失いながら。

挫折と希望の挟間を彷徨いながらも、

同志である母親や妻や友人他

多くの人に強く支えられ、

自転車こそが自分の人生だと思いなおし

彼は復活する。


99年には自転車レースの最高峰、

地上で最も過酷なスポーツイベント、

ツール・ド・フランスで個人総合優勝を果たす。

翌年も優勝し連覇を成し遂げる。


 「断言していい。

 癌は僕の人生で起こった

 最良のことだ」


本書の原題は

「It's not about the bike」。

確かに自転車だけの本ではない。


癌という強敵から逃げず、

真っ向から引き受け、

勇氣をもって闘った男と

それを支え続けた同志達の人間ドラマだ。