えみるの赤いランドセル―亡き娘との恩愛の記/風見 しんご 08086 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

えみるの赤いランドセル―亡き娘との恩愛の記/風見 しんご 08086

えみるの赤いランドセル―亡き娘との恩愛の記/風見 しんご
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1ヶ月ほど前、橋口寛さんのブログ で知る。

この記事を読んだだけで、思わず泣いてしまった。


読むのが怖いという氣持ちと、

読まなければならない本なのではという氣持ちと。

一ヶ月間揺れ動いたが、遂に意を決する。


風見しんごさんご夫妻には、

私と同様二人の娘さんがいた。

その長女が、わずか10歳のときに交通事故で亡くなる。

青信号を渡っていただけなのに。


短くとも幸せで楽しい10年間の思い出と、

ご夫婦の亡き娘への切ないほどの愛情と。


読んでいる間、そしてこれを書いている間、

同じような娘を持つ身として、

ご夫婦の氣持ちが痛いほど伝わってきて。

涙が後から後から止まらない。


 毎日毎日、えみるに会いたいと思っているよ。

 だから、つい君を探してしまうんだ。

 目の前を飛んでいく蝶々とか、

 道端に咲く小さな花とか、

 雲とか虹とか、

 風の氣配や太陽の光の中にいる君を・・・。

 

 それまで当たり前だと思って

 氣にもとめなかったことや景色が、

 ぜんぶ特別な意味を持っているように

 思えてしかたが無い。

 

 そして氣づいたんだ。

 いままで当たり前だと思ってすごしてきた

 何でもない日々がどれだけありがたいことだったのか・・・

 チチは今頃になってやっとわかったよ。


 君がそこにいてくれるということが、

 どんなにすばらしいことだったのか。

 愛する人がそこに生きていて、

 そこに在るということが、

 どんなにすごい奇跡だったのか。


 それを失ってみて初めてわかるなんて、

 チチ、アホだよね
 我が子を失うってこんなにも辛いんだね。

 でもね、こんなに辛い経験をするくらいだったら、

 最初から子供なんか作らなければよかったなんて

 これっぽっちも思わない。


 えみるが生まれてから天国に行くまで、

 十一年に満たない短い時間だったけれど、

 一緒に過ごせてチチは本当に幸せだった。

 どんなに辛い結末が待ち受けていたとしても、

 えみると暮らしたこの十一年間の重みは、

 なにものにも代えられない宝物だよ。


 子供は絶対に親を選んで生まれてきてくれる―。

 チチはそう信じているので、

 えみるには本当に心から感謝しているよ。

 えみる、ありがとう。


大事なこと思いださせてくれて、

風見しんごさん、本当にありがとうございました。

文章を綴るには頭や氣持ちを整理しなければならない。

思い出す、ということはきっと辛いことだったことでしょう。

本当に感謝したい。

何度も繰り返されているとおり、

車の運転は更に慎重にしたい強く思った。



そして今、出張中のビジネスホテルの一室で

深夜一人、これを書いている。


今すぐに帰って

娘二人を強く抱きしめたい。

なんて勝手な親だろうか。