人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために/山本 七平 08128 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために/山本 七平 08128

人間集団における人望の研究―二人以上の部下を持つ人のために (ノン・ポシェット)/山本 七平
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★★★★★

何度読んだか分からないが

読むたびに味わい深い本。


出向も一年が経とうとし、

「飲みにケーション」に努めている成果もあり、

皆さんかなり氣を許して

いろいろな話をしてくれるようになっている。


そこに居ない人のことで盛り上がるのは世の常(笑)。

人望があるのかと思いきや、

意外と不人氣だったり、その逆だったり。

表面には現れない人間模様が見えてきて面白い。



 「ダメだな、あの男は人望がないから」

 日本社会ではこの一言でその人の前途は断たれる。

 その人がいかに有能であってもダメ、

 そしてこの言葉には反論の余地がない。

 「人望、人望なんてなくたっていいじゃないですか」とは、

 誰も言えないのである。 



 これは「人望」が、日本社会では

 絶対的基準であることを示している。

 そして人びとは、実生活からそのことを知っている。



全くその通りだ。

で、最近の氣つきはその

「人望がある」「人望が無い」

というのはきっと自分では

なかなか氣づけない、ということ。

特に偉くなったり皆が氣を使ってくれたり、

という立場になるとなおさらである。

・・・非常に怖いなぁ。


尚書にいう九徳を身につければ、

人徳のある人になれるという。


(1)寛にして栗(寛大だがしまりがある)

(2)柔にして立(柔和だが事が処理できる)

(3)愿にして恭(まじめだが、つっけんどんでない)

(4)乱にして敬(事を始める能力があるが慎み深い)

(5)擾にして毅(おとなしいが内が強い)

(6)直にして温(正直・率直だが温和)

(7)簡にして廉(大まかだがしまりがある)

(8)剛にして塞(剛健だが内も充実)

(9)彊にして義(強勇だが正しい)

つまり、「中庸」が肝要なのだ。

それは


力を込めつつ、力を抜く


のよう。

まるで合氣道。


人間集団における人望の研究/山本 七平 07167