営業力―「顧客の心」に処する技術と心得 田坂 広志 08150 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

営業力―「顧客の心」に処する技術と心得 田坂 広志 08150

営業力―「顧客の心」に処する技術と心得 田坂 広志

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久々の田坂広志先生の本。


今、私の仕事は「営業力」という直接的なものが

問われるものではない。


でも


 売れるのは、商品ではない。

 人間である。


というところからすると、自分自身も「商品」の一つであり、

それを「会社」や「上司」「同僚」「部下」という

「顧客」達にお買い上げ頂いている、とも考えられる。

そのような広い意味での「人間関係論」として読んだ。


本書で最も印象深いのは、ここ。


 そして、もし我々が、若手スタッフの時代から、

 この「集中力」という力量を身につける修練を続けていくならば、
 いつか、プロフェッショナルとしての熟練の時代を迎えたとき、

 その力量は、世に言われるあの高度な力となるのです。


 「存在感」


 すでに素晴らしい世界で

 活躍されているプロフェッショナルの方々。

 この方々が、様々な場で示される「存在感」とは

 実は、特殊な能力ではありません。

 若き日より、仕事を通じて身につけた、

 鍛え続けた「集中力」が、いつか、

 「存在感」と呼ばれる力量へと昇華していく。

 いつか、その日がやってくるのです。


 しかし、そうした高度な力量にまで至る道は、

 やはり日々の商談での修行以外はありません。

 いかなる商談であっても、集中力をもって臨む。

 その商談を通じて集中力を切らさぬ修練をする。


 そしてその修練において、

 我々が胸に刻むべき心得は、

 究極、ただ一つの言葉です。


 ただ、力満ちて、そこに、在る。


 それは、人間としての、最高の力量なのです。


日々の小さい積み重ね。

決して疎かにしてはならない。

些細なことの繰り返しの先に

偉大なる道が繋がっているのだ。