坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎 08197 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎 08197

坂の上の雲〈4〉 (文春文庫)/司馬 遼太郎
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★★★★★


司馬遼太郎さんの本を読んでいて思うのは

「悪いばかりの人はいない」というところ。

どの本を読んでいても、

単純な悪役、愚人は登場しない。


ただ、旅順攻撃を指揮した

乃木希典軍司令官、

伊地知幸介参謀長の

戦略・戦術の無い戦いぶりには容赦がない。


鉄塁旅順要塞を単純な突撃のみで

突破しようとし、無用な日本人の

血を流し続けたこの二人。

常に温かい目で歴史の人物を追う

司馬遼太郎さんと云えども

とても耐えられなかった、

というのが伝わってくる。


その無能ぶりは大本営にも陸軍にも

早期に伝わっているのだが、

「士氣に係わる」として、

結局何も手が打てていない。


その間に、何度も総攻撃が繰り返され

更に無益な死が繰り返される。


誰が悪いのか。

誰が動かなければならなかったのか。


企業でもこういうことってよくあるよなぁ

と思いながら入り込んで読んでしまう。