「日本の経営」を創る/三枝 匡 伊丹敬之 08351
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あの、三枝匡さんの新書が出た。
これは買わねば。
南京出張中に熟読。
それは私の言葉で言うと、1枚目の段階で、
「自分たちの手に負える大きさにまで問題を分解」
しておくことがカギになると思います。
それを手に負えない大きさのままで論じられると、
二枚目、三枚目の話になったときに、
みんなわからなくなるんでしょうね。
私の「V字回復の経営 」でもその情景が何度も出てくるのですが、
今、目の前にいる普通の人びとにわかるように、
いかに問題を分析し、噛み砕いて説明するか。
そのためのプレゼンテーションをつくるのに
異常とも思えるほどの時間と労力が使われていることを
多くの読者が見過ごすんです。
それが、たった一回だけの、絶対に負けることのできない
勝負の分かれ目になるんです。
そういうことをやって、現実の構図をみんなに見せるわけです。
「これが問題だよね。ひどいよね。
今まで全く見えていなかったけど、どうする?
この問題の原因って、元をただせば実は君も関係しているんだよ」
といった話に分解することがポイントです。
<中略>
そうですね。もうひとつ、元氣のない組織では、
状況をおかしくしたのは自分じゃないと思っている人が
たくさんいるわけですよ。
会社をおかしくした原因としては
実はあなた自身も関与しているんですよといわれ、
それで目覚める責任感や痛み、後悔の念、
懺悔の氣持ちなどが合わさると、改革は一氣に動き始めます。
今まで幾度とも変革、改革を成し遂げられた
三枝匡さんの一言一言が重くて、痛い。
経験を一つ一つ思い出すと
自らの至らなさを痛いほど感じる。
初めのころは、会社を直すってどういうことか、
自分でもいろいろとわかっていませんでしたが、
最後の方はいろいろと分かってきました。
わかったのは、事業再生は入り口では戦略8割、
終わってみれば人間関係8割(笑)、そういう感じ。
このバランスが、実に難しい。。。
外部から来た人間には、なおさらだ。
たくさんある問題の中で、
むしろ最も根っこに近いと思われる二つくらいに問題点を絞って、
後は無視していいからその二つだけを完璧に
100%直すようにガーッと集中することに尽きるんですよ。
こんなこと、MBAのレポートに書いたら、×だろうな(笑)。
MECEじゃないって(笑)。
でも実務の本質ってこういうことなんだろう。
例えば、ミスミ社内でビジネスプランを作る場合でも、
まずは理屈から入って自分たちの事業性ポテンシャルを見極めていって、
事業の方向性を考えます。
私はその考え方、フレームワークを部門長などが経営リーダーとして
身につけることをかなり教育して叩き込みます。
それを使いこなして自分の事業ストーリーを作れない人は
経営者として能力不足なんです。
私は事業の中身については口を出さず、
彼らがフレームワークを正しく使って
自分の戦略を組みたたているかどうかに
指導の重点を置きます。
私は社内で戦略手法の伝道師を自任しています。
ああ、素晴らしい経営者だ。
人生で一度はこのような経営者のもとで働いてみたい。
どれほど自分が鍛えられるだろうか。
南京の静かな夜。ぐらっと氣持ちの揺らぎを感じてしまった。
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