小さな人生論―「致知」の言葉/藤尾 秀昭 08355 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

小さな人生論―「致知」の言葉/藤尾 秀昭 08355

小さな人生論―「致知」の言葉/藤尾 秀昭
¥1,050
Amazon.co.jp
★★★★★

MBAのアウトプットは実務だけじゃない。

「自分で使える」くらいではまだまだで、

自分で使えて且つ「人に教えることができる」

ところまで行かなければ、

本当に自分のものになったとは言えないのではないか。


また、今までご指導頂いてきた先生先輩への

「恩返し」としても、後輩に伝えていくことは責務だろう。

自分のものだけ、にしてはならない。



 人を育てる


 老人が松の苗木を植えていた。

 通りがかった君主が老人に尋ねた。
 「八十五歳になります。」
 君主は笑った。

 「その松が立派な材木になっても、

 自分では使えないだろうに。」と。
 八十五翁は言った。
 「国を治めている人のお言葉とは思えませぬ。

 私は自分のためではなく、

 子孫のために植えているのです。」
 君主は恥じ入るほかなかった。

 太宰春台の「産語」にある話である。


 人を育てるのもまた、かくの如しだろう。

 1人ひとりを丁寧に教育し、

 根付かせ、成長をうながす。

 だが、そうして育てられた人たちが

 担う時代の豊かさを、先人が享受することはない。

 それでも、人を育て続けなければならない。

 それは、命を受け継いで後から来る者に対する、

 先行する者の不可欠の責務なのだ。


三谷宏治先生 が仰った

「ペイフォワード」とはこのことだろう。

先輩からの恩は、後輩に返す。

親からの恩は、子に、孫に返す。

それで連綿たる歴史が作られるのではないか。


最近を自省するに、

「ペイフォワード」がちょっと足りなかったかもしれない。

もしくは、自分の娘たちだけに向いていたかもしれない。


恩返し、意識して機会を作ろう。



小さな人生論―「致知」の言葉/藤尾 秀昭 07241

小さな人生論―「致知」の言葉/藤尾 秀昭 07066