古武術の発見―日本人にとって「身体」とは何か/養老 孟司 甲野善紀 08147 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

古武術の発見―日本人にとって「身体」とは何か/養老 孟司 甲野善紀 08147

古武術の発見―日本人にとって「身体」とは何か
(知恵の森文庫)/養老 孟司甲野善紀
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★★★★★

急に甲野善紀先生の本が読みたくなる。

随分とお会い出来ていないが、

お元氣にされているであろうか。


本書は平成4年と、相当古いもので、

「井桁理論」を発見された当時のもの。

今、先生が教えてくださることは

随分と進化されているが、

その甲野善紀先生の進化の過程を読む、

というのもまた研究材料としては面白い。


学生や社会人の仲間と稽古をすると、

個人の「身体感覚」というものに

大きな差があることを感じる。

その「身体感覚」を

常に意識をしている者としていない者。

その差は歴然としてくる。


私も常人と比較すればあるほうだろうが

甲野善紀先生と稽古をすると、

「なんて自分の身体感覚は粗いのだろう」

といつも悲しくなる。

本書の中で一人稽古の重要性を

何度も強調されているが

甲野善紀先生は肘の工夫をしているだけで

新幹線の東京~大阪間も飽きないのだとか。


 私は、型というのは、

 「癒着をはがすための基本動作」であると、

 わかりやすく言っております。

 つまり、ついつい一緒に動いてしまう

 日常的にパターン化した、

 筋肉なり身体感覚のブロックを

 バラバラにする、ということです。


そうだ。その通りだ。

武道の精妙な動き、というのは

実に、極めて非日常的な動きであり、

自然と体の中から湧いてくるものでは、

残念ながら無い。

体の常識を捨てさせる。

型稽古にはそのための、

先人たちの偉大な知恵が詰まっている。


段々と体が疼いてきた。

ここ1年ほど、何度かご連絡を頂戴したが、

出張等でなかなか時間が合わない。

本書を読んで、今度は少々無理をしてでも、

久々に稽古をつけて頂きたいと思った。