ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 /石野 雄一 08149 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 /石野 雄一 08149

ざっくり分かるファイナンス 経営センスを磨くための財務 (光文社新書 297)/石野 雄一
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★★★★★

今日はファイナンスのD4。

テーマは「CAPM」「WACC」である。

ケースはマリオットコーポレーションで、

取っ付きテクニカルな雰囲氣はあるものの、

定性的に見ても非常に味わい深いケース。


グロービスが定めるロードマップの中で、

一番「微妙」なのがこのCAPMなのではないか。


リスクフリーレートやベータ、リスクプレミアムに

どの数値を使うのか。


はっきり言ってどうとでも言える。

板倉雄一郎さんなどは

KISS第20号「CAPMを笑う」

でこのノーベル賞の業績に疑念を投げかけ、

またそれが非常に説得力があったりするのだけど。

今日の星野先生の講義を聴いていると

だからこそ、使う側の創造性が発揮される余地があって

面白いんじゃないか、って思ったりして。


どの数字を使うのか、その理由・意味は何か。

企業側と投資家側、

もしくは社内説明をする側とされる側で

「なぜこの数値を採用したのか?」

という議論がなされれば、

相当いろいろなものが見えてきそう。


で、本書はそんなファイナンスやWACC、CAPMの

「大局観」を思い出すために、

大学院へ向かう電車内で読む。


 よく、ビジネススクールを卒業したばかりの人間を揶揄して

 こういわれることがあります。

 「金槌を初めて持った子供は何でも叩きたがる」。

 つまり、何かとファイナンス理論を振りかざす

 傾向にあるというわけです。

 このCAPMという理論もしかり。

 決して万能ではなく、

 ご説明したような限界があることを念頭に置いて

 使っていただければと思います。

 

あはは、氣をつけよう。

でもそんな頭でっかちになる前に

実務で現場で薄っぺらな理論をぶち壊される。

スクラップアンドビルドのタームが実に短い。

それが社会人大学院の良さだよな。