偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する/武田 邦彦 08292 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する/武田 邦彦 08292

偽善エコロジー―「環境生活」が地球を破壊する (幻冬舎新書 (た-5-1))/武田 邦彦
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★★★★★

エコロジー、って何だか胡散臭いよな。

漠然と、そう感じてた。


平和だ!平和だ!と唱えていれば

平和がやってくるという「念仏平和主義」の幻想、危険性を

指摘したのは司馬遼太郎さんだったか。


今のエコロジーも

「環境に良くない!」「地球に優しくない!」と

言われるとすべての思考がストップする。


その「念仏エコロジー主義」に一石を投じた問題作。


 レジ袋を使わない

 割り箸を使わずにマイ箸を持つ

 ハウス野菜、養殖魚を買わない

 石油をやめバイオエタノールに

 温暖化はCO2削減努力で防げる

 冷房28度の設定で温暖化防止

 温暖化で世界は水浸しになる

 ダイオキシンは有害だ

 狂牛病は恐ろしい

 生ゴミを堆肥にする

 プラスチックをリサイクル

 洗剤より石鹸を使う

 無毒無菌が安全

 古紙のリサイクル

 牛乳パックのリサイクル

 ペットボトルのリサイクル

 空き瓶のリサイクル

 食品トレイのリサイクル

 ゴミの分別


などは、「意味がない」「却って良くない」「危ない」「ただのエゴ」

とバッサバッサと切り捨てる。


確かにリサイクルをするために、

膨大なエネルギーを費やしたり、

微々たる効果しかないことに目くじらを立てたり。

「塵も積もれば」と躍起になる前に、

エコロジーの本当の目的は何なのか、

施策の優先順位はどのようにつければいいのか、

施策に実効性や実現可能性はあるのかどうか。

そういったことも冷静に戦略的に考えたい。


「なんとなくみんながそうしているから」

「エコロジーでない奴、と思われたくないから」

という山本七平氏言うところの「空氣」に

逆らえない方々には、是非読んで頂きたい。


貸してくれた上海人さん、ありがとう。

これは必読書だ。