生き方/稲盛和夫 24083 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

生き方/稲盛和夫 24083

 

★★★★★

四回目。

経営者、大学院で経営戦略やマーケティングを教えさせて頂く身なのに

なぜ哲学や宗教の本を多く手に取るのか。

受講生の皆さんが恐らく思っていて

質問しないことなのではないか。

 

本書のプロローグにその答えがあると思う。

 

 混迷の時代だからこそ 「生き方」を問い直す

 私たちはいま、混迷を極め、

 先行きの見えない「不安の時代」を生きています。

 豊かなはずなのに心は満たされず、

 衣食足りているはずなのに礼節に乏しく、

 自由なはずなのにどこか閉塞感がある。

 やる氣さえあれば、どんなものでも手に入り何でもできるのに、

 無氣力で悲観的になり、なかには犯罪や不祥事に

 手を染めてしまう人もいます。

 そういう時代にもっとも必要なのは、

 「人間は何のために生きるのか」

 という根本的な問いではないかと思います。

 まず、そのことに真正面から向かい合い、

 生きる指針としての「哲学」を確立することが必要なのです。

 哲学とは、理念あるいは思想などといいかえてもよいでしょう。

 そのような閉塞的な状況が社会を

 覆いつくしているのはなぜなのでしょうか。

 それは、 多くの人が生きる意味や価値を見いだせず、

 人生の指針を見失ってしまっているからではないでしょうか。

 今日の社会の混乱が、

 そうした人生観の欠如に起因するように思えるのは、

 私だけではないと思います。

 それは砂漠に水をまくようなむなしい行為であり、

 早瀬に杭を打つのに似たむずかしい

 行為なのかもしれません。

 しかし、懸命に汗をかくことをどこかさげすむような

 風潮のある時代だからこそ、

 単純でまっすぐな問いかけが重い意味をもつのだと私は信じています。

 そのような根幹から生き方を考えていく試みがなされないかぎり、

 いよいよ混迷は深まり、未来はますます混沌として、

 社会には混乱が広がっていく

 ――そうした切実な危機感 と焦燥感にとらわれているのも、

 やはり私だけではないはずです。 

 私は本書の中で、

 人間の「生き方」というものを真正面からとらえ、

 根幹から見据えて、思うところを忌憚なく説いてみたいと思っています。

 生きる意味と人生のあり方を根本から問い直してみたい。

 そうしてそれを時代の急流に打ち込む、

 ささやかな一本の杭としたいと考えています。
 読者の方々が、生きる喜びを見いだし、

 幸福に満ちた充実した人生を送るための何らかの

 ヒントを本書から得ていただければ、この上ない喜びです。

 

経営ではToBeを明確にしなければ

戦略は立てることが出来ない。

人生も同じだと思う。

 

ToBeが決まれば戦略は自ずから決まる。

どのような人間になるべきか、

どのような人生を送るべきか、

の理想を今後も追求し続けたい。

 

生き方/稲盛和夫 22311

 

生き方/稲盛和夫 20088

 

生き方―人間として一番大切なこと/稲盛和夫 16036