武器になる哲学/山口周 24116 | 年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記

武器になる哲学/山口周 24116

 

★★★★★

前回Audibleだったが今回は本にて。

実に面白い。本は2回目にもかかわらず付箋だらけになった。

 

 筆者は、前著『世界で最もイノベーティブな組織の作り方」を執筆した際、

 社会から「イノ ベーター」と認められている人々に数多くのインタビューを

 実施しましたが、そこで特徴的だったのは、

 そのうちの誰一人として「イノベーションを起こしてやろう」と

 考えていなかった、ということです。

 彼らは「イノベーションを起こそう」と思って仕事をしているのではな く、

 必ず具体的な「解決したい課題」があって仕事をしています。

 イノベーションの停滞が叫ばれて久しいですが、

 停滞の最大の原因となっているボトルネックは

 「アイデア」や「創造性」 ではない、

 そもそも解きたい「課題=アジェンダ」がないということです。

 そうなると「課題設定の能力」が重要だということになるわけですが、

 ではどうすれば「課題設定能力」を高めることができるのか? 

 鍵は「教養」ということになります。

 なぜかというと、目の前の慣れ親しんだ現実から

 「課題」を汲み取るためには、

 「常識を相対化する」ことが不可欠だからです。

 例えば、日本の風俗習慣・生活文化しか知らない人が、

 日本の風俗習慣について「なぜこんなことをやっているんだろう」と

 考えるのは大変難しいことですが、

 外国の風俗習慣・生活文化を知っている人であれば、

 それは容易なことでしょう。

 よく「ここがヘンだよ日本人」とかなんとか、

 そんな表題の書籍やテレビ番組がありますが、

 これらのコンテンツは、日本人にとってごくごく当たり前の習慣が、

 外国人には大変奇妙に思えること、

 そしてまた、そのような指摘によって当の日本人もまた

 「言われてみれば確かにそうだ」と共感 してしまう、

 という構図を下地にして成立しています。

 つまり地理的な空間、あるいは歴史的な時間の広がりを

 持った人であればあるほど、

 目の前の状況を相対化してみることができるようになる、

 ということです。

 

なるほど~。

なぜ教養、なぜ哲学が大事なのか、

身に着ければ武器になるのか。

 

これ、教養や哲学を経営や経営戦略に

読み替えることが出来ることにも氣が付いた。

自社のビジネスしか知らなければ

そのビジネスを相対化するのが難しい。

多数のケースを読み経営を学ぶと相対化することが出来、

ビジネスにおける「課題設定能力」を高めることが出来る。

 

昔から様々な武道を比較したり、比較宗教学を学んだりしてきたが

「相対化」することによってより学びが深くなる、

ということにもつながるね。

 

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