武器になる哲学/山口周 24116
★★★★★
前回Audibleだったが今回は本にて。
実に面白い。本は2回目にもかかわらず付箋だらけになった。
筆者は、前著『世界で最もイノベーティブな組織の作り方」を執筆した際、
社会から「イノ ベーター」と認められている人々に数多くのインタビューを
実施しましたが、そこで特徴的だったのは、
そのうちの誰一人として「イノベーションを起こしてやろう」と
考えていなかった、ということです。
彼らは「イノベーションを起こそう」と思って仕事をしているのではな く、
必ず具体的な「解決したい課題」があって仕事をしています。
イノベーションの停滞が叫ばれて久しいですが、
停滞の最大の原因となっているボトルネックは
「アイデア」や「創造性」 ではない、
そもそも解きたい「課題=アジェンダ」がないということです。
そうなると「課題設定の能力」が重要だということになるわけですが、
ではどうすれば「課題設定能力」を高めることができるのか?
鍵は「教養」ということになります。
なぜかというと、目の前の慣れ親しんだ現実から
「課題」を汲み取るためには、
「常識を相対化する」ことが不可欠だからです。
例えば、日本の風俗習慣・生活文化しか知らない人が、
日本の風俗習慣について「なぜこんなことをやっているんだろう」と
考えるのは大変難しいことですが、
外国の風俗習慣・生活文化を知っている人であれば、
それは容易なことでしょう。
よく「ここがヘンだよ日本人」とかなんとか、
そんな表題の書籍やテレビ番組がありますが、
これらのコンテンツは、日本人にとってごくごく当たり前の習慣が、
外国人には大変奇妙に思えること、
そしてまた、そのような指摘によって当の日本人もまた
「言われてみれば確かにそうだ」と共感 してしまう、
という構図を下地にして成立しています。
つまり地理的な空間、あるいは歴史的な時間の広がりを
持った人であればあるほど、
目の前の状況を相対化してみることができるようになる、
ということです。
なるほど~。
なぜ教養、なぜ哲学が大事なのか、
身に着ければ武器になるのか。
これ、教養や哲学を経営や経営戦略に
読み替えることが出来ることにも氣が付いた。
自社のビジネスしか知らなければ
そのビジネスを相対化するのが難しい。
多数のケースを読み経営を学ぶと相対化することが出来、
ビジネスにおける「課題設定能力」を高めることが出来る。
昔から様々な武道を比較したり、比較宗教学を学んだりしてきたが
「相対化」することによってより学びが深くなる、
ということにもつながるね。
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