年間365冊×今年20年目 合氣道場主 兼 投資会社・コンサル会社 オーナー社長 兼 グロービス経営大学院准教授による読書日記 -761ページ目

身体から革命を起こす/甲野 善紀, 田中 聡 05034


著者: 甲野 善紀, 田中 聡
タイトル: 身体から革命を起こす

★★★★★
普段は物静かな甲野善紀先生が
「『身体から革命を起こす』、
今度の本はすごいよ」と昨年より
熱く語られていた待望の一冊が
ようやく発売された。

田中聡さんというライターの方が
甲野先生の話されることを
整理した形になっているが、先生の仰るとおり
「自分(甲野先生)の説明より分りやすい」
かも知れない。

普段の稽古での先生の説明よりも、
今までのどの本よりも確かに分りやすく、
新たな気づきがとても多かった。

だけど問題なのはまずこの二点。
*甲野善紀先生も、まさに「日々進化」していらっしゃるので
 すぐに仰ることが変わること(悪い意味では決して無い。
 あのレベルで向上する(というか加速しているかも)というのは
 普通ありえない(少なくとも見たことが無い)
 分った(つもり)!と思ってもその場所に
 先生はもう居ない(笑)ことが多い。
*やはり「身体が動いてナンボ」である。
 文章を読んで「分った」と思うことは、
 武道的・武術的にはナンセンスであろう。

 甲野先生の動き
 ↓
 それを先生が感じたこと
 ↓
 それを先生が言葉にする
 ↓
 それを言葉で理解する
 ↓
 さらに身体の動きに翻訳する
 
 と何段階も経ると「伝言ゲーム」のように
 確実に本質から遠ざかる。
 但し、必ずヒントになることはあるはずなので
 真剣に甲野先生の話を聞いたり読んだりすること
 は言うまでも無いが。

そもそも「身体の精妙な動き」を
言葉にしようとするのは無理があると思う。
(甲野先生はそれをきっと理解されながらも
 「何とか言葉や文章にしよう」と努力されるのは
 本当にすごいが)

やはり達人の技は「受け」をして
「言葉」という媒介を経ずに体得するのが一番!

・・・ということで本書で袴を穿いて
甲野先生の受けをさせて頂いているのは小生です。
先生からはご丁寧にお礼状も添えて頂いた上で
本書を自宅まで送ってくださいました。

本当にありがとうございました!


著者: 甲野 善紀, 田中 聡
タイトル: 身体から革命を起こす

ジャック・ウェルチ わが経営 <上>/ジャック・ウェルチ 05033


著者: ジャック・ウェルチ, ジョン・A・バーン, 宮本 喜一
タイトル: ジャック・ウェルチ わが経営 <上>

★★★★★
「20世紀最高の経営者」と称せられる
ジャック・ウェルチ氏の自伝。

すごすぎる。。。

こんな人が上司だったら堪らんだろうな、
とも思いつつ、
それを想像するのがとても楽しかった。
きっと堪え抜いたら自分も
劇的な成長を遂げられるんじゃないか、って。

もし著者が弊社の社長だったら、
我がマンション部隊は
さっさと売却されそうではあるが。。。

とても身近な話題で心に残ったのは
著者がまだ若かりし頃の話。

 上司というものはたいてい、
 部下に質問する時は、
 すでに頭の中で答えを出している。
 上司はそれをただ確認したいだけだ。
 群れから抜け出すには、
 与えられた質問の枠を超えて考える必要がある。
 私は質問に答えるだけでなく
 上司の意表をつくような新鮮な
 視点を提供したかった。


さすが。
栴檀は双葉より芳し。


著者: ジャック・ウェルチ, ジョン・A・バーン, 宮本 喜一
タイトル: ジャック・ウェルチ わが経営 <上>

やっぱり変だよ日本の営業―競争力回復への提案/宋 文洲 05032



著者: 宋 文洲
タイトル: やっぱり変だよ日本の営業―競争力回復への提案

★★★★★

昨日、営業支援システムで急成長中のソフトブレーン
セミナーに参加した。

きっかけと目的は、以前ビジネスでお付き合いがあった工藤龍矢さん
(某上場企業の営業部長に若くして就かれていた)
という方がその好待遇を投げ打って
あっさり転職した同社に興味をもったことと、
「営業マンは断ることを覚えなさい」 の著者の石原明先生
講演がある、ということでそのお話が聞きたかった、
ということだった。

ところが目当ての石原先生の前に講演した
同社創業者の宋会長に驚いた。
資料を見ればたった12年で創業から
東証二部上場を果たした立志伝中の方なのだと。

工藤さんの温かい配慮で、
最前列ど真ん中で拝聴させていただいたが、
小生はその迫力とお人柄に惚れ、
休憩時間に早速宋会長の著作を二冊とも買い求めた。

その興奮冷めやらぬ翌日に早速一冊目を読んだ。

弊社分譲マンションの営業力向上のために、
と思いながら読み始めたが、
まずそれとは違う面から自分の腑に落ちた。

小生は業務の中でネット系代理店や通常の広告代理店、
製作会社等からの営業の電話や飛び込みの訪問を
週に何度も受けている。

「営業は気合だ!」「熱心に訪問すればきっと伝わる」
みたいな営業マンが本当に多く、
正直なところかなり迷惑している。

学生の頃、飛び込み営業のバイトをしていたことがあったので
その頃のことを思い出し、当初はつい優しく対応していたが、
「勘違いされるとお互いに時間の無駄だ」と心を鬼にして(笑)、
最近はテレアポの声に魅力が無ければ会いもしない
(営業マンの皆様、本当にごめんなさい)。

で、いま親しくお付き合いさせて頂いている会社のことを考えると、
無意味な人海戦術や飛び込み営業を受けたのが最初のきっかけで
弊社とのつながりを持たせていただいたところは
一社もないことに気が付いた。

「日本の営業はおかしい」という宋会長のメッセージが
ガンガン頭の中に響いた。

そうか、弊社のマンション販売部隊もきっと同じことをしている。
同じ勘違いをしている。

宋会長の言うとおりモノが無かった時代と
今のようにモノがありふれている時代は、
売り方が違って当然なんだ。

じゃあ、「この時代にふさわしいマンションの営業」
ってなんだろう。

講話録 真理は現実のただ中にあり/森 信三 05031


著者: 森 信三
タイトル: 講話録 真理は現実のただ中にあり

★★★★★
著者のことは、愛読している雑誌「到知」で
よく取り上げられていて前からとても気になっていた。
今回初めて読むことができた。

「国民教育者の師父」「実践的教育者」「思想家」といわれ
なんとなくその近寄り難さに敬遠してきたが、
「もっと早く読んでおけばよかった」と少々後悔した。

小学生や大学生相手の講演記録なので
分りやすかったのかもしれない。
本の中で説かれている事と自分と重ね合わせて、
「当たり前のことなのにできていない」
ことが多く身に沁みた。

「毎日の三つの心がけ」というのがよかった。
 1.挨拶は、人に出会ったら必ず自分の方から先に
   「おはようございます」と挨拶すること。
 2.人から呼ばれたら、必ずハイと返事すること
 3.靴は脱いだら揃えること。そして人の履物も直すこと。
 
これは中学生相手の講演らしいが、とても納得し反省させられた。

自分を振り返って考えてみても、
1番は上司先輩にはちゃんとやっているが
後輩にはできていないかも(苦笑)。
2番はきっと大丈夫だな。
3番は。。。駄目だな。酔っ払った次の朝は特にひどい。

きっとこんなことを子供は見ていて、それを真似し、
その将来に大きな影響を残していくのだろう。
今後は本当に気をつけよう。


著者: 森 信三
タイトル: 講話録 真理は現実のただ中にあり

運が開ける勉強法―勉強脳が目覚める50の具体例/中谷 彰宏 05030


著者: 中谷 彰宏
タイトル: 運が開ける勉強法―勉強脳が目覚める50の具体例

★★★★☆

この本は
①大人になって勉強をしたくなった人
②大人になって勉強をしてみたけど
 行きづまってしまった人
③勉強を成功に結び付けたい人
のために書かれているそうだ。

みんな当てはまる(笑)。

特に面白かったのが

 「当たり前」のレベルを上げることが、勉強。
 当たり前のことは決して負担にならないし、しんどくも無い。
 自分より勉強している人をまわりにおくだけで、
 いつの間にか当たり前のレベルが上がる。
 そうすると沢山勉強しても平気になる。
 当たり前のレベルを上げよう。


なるほど。離陸時が一番大変だけど、
一度巡航速度に達して、それが習慣になってしまえば、
いいんだな。やっぱり月30冊だな(笑)。


あと、

 好きな人がすすめる本は間違いない。
 その人が好きなものの感性は、あなたに近いからです。


確かに。
アマゾンで見ず知らずの人の書評は当たり外れがあるが、
「この人!」と思う人の薦める本は
やっぱりいいよね。


著者: 中谷 彰宏
タイトル: 運が開ける勉強法―勉強脳が目覚める50の具体例

法隆寺の謎―日本史の旅/邦光 史郎 05029


著者: 邦光 史郎
タイトル: 法隆寺の謎―日本史の旅

★★★☆☆

 1.法隆寺には蜘蛛が巣をかけたことが無い
 2.南大門に鯛石と呼ぶ大きな石があるが、
   なぜ、門前にこんな大きな石を置いたのか
 3.五重塔の相輪(屋根の上の飾り)に、
   四つの鎌が刺さってる
 4.三つの伏蔵がある
 5.法隆寺の蛙には目がひとつしかない
 6.夢殿の礼盤(僧侶の座る台)の下が、
   いつも汗をかいている
 7.雨だれが穴をあけてよいはずの地面に穴が無い

という7つの謎解きをしていく本。

7つの秘密はたいへん興味があり、
法隆寺に行く度に気になってしまうものばかりだ。

でも邦光氏の結論は、例えば1の「蜘蛛の巣が無い」では
「聖徳太子信仰を集めているので、近所の人が掃除を
 まめにしているんだろう」などちょっとがっかりなものが多い。
そこまで無理して結論出さずともいいのではないか。。。

著者: 邦光 史郎
タイトル: 法隆寺の謎―日本史の旅

できる社長のブログ術―社長の日記(ブログ)に成功の法則を発見! 05028


著者: レッカ社
タイトル: できる社長のブログ術―社長の日記(ブログ)に成功の法則を発見!

★★★☆☆
社長16人のブログを紹介した本。
ライブドアの堀江社長サイバーエージェント藤田社長
会社同士のお取引もあるので定期的に読んでいる。


ネットエイジの西川社長KFiの木村社長
ネオテニーの伊藤社長 も面白いと思った。


著者: レッカ社
タイトル: できる社長のブログ術―社長の日記(ブログ)に成功の法則を発見!

プロ論/B-ing編集部 05027


著者: B-ing編集部
タイトル: プロ論。

★★★★☆
経営者から芸術家、学者、スポーツ選手など
各界で活躍する50人が各自の「プロ論」を語る。

さすが!と思う人や
(宮内義彦氏や齋藤孝氏)
意外な人が結構まともなことを言っていたりして
(和田アキ子氏、石橋貴明氏)
かなり楽しませて頂きました。

成毛眞氏のところの
「今も月20冊のペースで読書してます。
 これが本質的に自信につながっているんですね。
 職歴でもなく、学歴でもなく、読書量です」
というセリフ、いいですね。
ならば私は目標どおり、月30冊読んでやろう。


著者: B-ing編集部
タイトル: プロ論。

稲盛和夫の哲学/稲盛 和夫 05026


著者: 稲盛 和夫
タイトル: 稲盛和夫の哲学―人は何のために生きるのか

★★★★☆
京セラ会長稲盛和夫氏が
「人は何のために生きるのか」
「素晴らしい人生をおくるためにはどうすればいいのか」
など、自らの経験に基づいて哲学・宗教観を語る。

65歳の時に一時的に出家、
修行をされたことがあり、
当時新聞にも出ていたのを覚えている。

無から大企業グループを作ったような
「大成功者」でも何かにすがりたい、
と思うものなのか、とその時に感じた。

そういえば、10年ほど前には私も仏教に興味を持ち、
松原泰道師などの禅の本はよく読んだ。
その頃を思い出させる本だった。
まだ本棚にあるはず。探してみよう。



著者: 稲盛 和夫
タイトル: 稲盛和夫の哲学―人は何のために生きるのか

イノベーションの本質/野中 郁次郎, 勝見 明 05025


著者: 野中 郁次郎, 勝見 明
タイトル: イノベーションの本質

★★★★☆
「プロジェクトX」風に、成功した商品やサービスの
開発に携わった方々の活躍にスポットを当てつつ、
「どのようにしてイノベーションが起こったか?」
を冷静に分析した本。

商品開発時のコンセプトメーキングの際の議論は
「弁証法的議論」が必要、と繰り返し述べているのが印象に残った。
白でも黒でもない、かといって妥協でもない。
全人的な対話を通して対立を活かしつつ
インタラクティブな相互作用の中で
より高い次元の知を生み出していく。

矛盾を綜合化していく過程においては、
当事者たちが知覚や身体感覚を
通して親近感を深め、思いを共有し、
志を共振させながら、
その一方で分析的な思考も十分に働かせる。
その柔軟なバランスの中から
イノベーションが生まれる。

今後何かを生み出す過程(たとえば企画会議など)では
このようなことを常に意識しながら物事を進めよう。

それにしても「暗黙知」や「形式知」って言葉、
最近急激によく目にするようになったなぁ、
と思い調べてみたら、
この著者が提唱していたこと だったんだ。


著者: 野中 郁次郎, 勝見 明
タイトル: イノベーションの本質